先日Amazonプライムの料金値上げが発表されました。値上げ開始は2023年8月24日から。実に4年ぶりの値上げで、年払契約だと1000円値上げの5900円に、月払い契約だと100円値上げの600円になります。
年間契約だと1000円の値上げということで、昨今のありとあらゆるものの物価高騰を考えると致し方ないと思います。むしろ1000円の値上げでよく済んだなという印象すらあります。世界に目を向けますと、本家アメリカのAmazonでは年間のプライム料金は2万円ですからね……実は日本のAmazonプライム料金はメチャクチャ安いのです。
世界のAmazonプライム料金(年払)の比較
どうして日本のAmazonプライム料金は安いのか?
市場戦略
日本の通販では、Amazonの競合他社として楽天やヨドバシ、そしてYahoo!の存在が強い。日本市場における競争力を高めるためにはプライム料金を一気には値上げできず・・・戦略としてAmazonプライムの料金設定を他の国よりも低く抑えているのではないかと推察できる。楽天が楽天モバイル事業の大幅赤字で資金繰りに困ってますが、楽天がなくなっちゃうとAmazonにとって有利に働きますから、そうなってしまうとAmazonプライム料金の大幅値上げにつながる可能性もありますね。
国によってサービス内容が異なるから
国によってAmazonプライム会員向け特典のサービス内容が異なる可能性があります。例えば見放題や聴き放題になってる動画や音楽コンテンツの内容や数の違いがあり、充実させるためにコストがかかってるなど。日本の3.4倍の会員費がかかるアメリカのAmazon Prime会員特典がショボかったら誰も会員登録しないでしょう?
各国の経済状況の違い
日本はバブル崩壊からの失われた30年、長らく経済の低迷が続き、デフレが長かったので、物が安いのが当たり前でした。アメリカと比べて物価が安いですが、長年賃金が上がってないので可処分所得が年々減ってます。よって日本独自の経済状況が要因で一気にプライム料金を上げると顧客離れが起きるのでそう簡単には極端な値上げはできないのです。しかし昨今の世界的な経済情勢の中で日本でも物価高騰の波が押し寄せ、政府も雇用主である企業に賃金アップの要請を行い、徐々に賃上げが進んでます。最低賃金も毎年改定され少しずつですが上がってますね。それを考えると、今後もAmazonプライム料金は上がっていくことが容易に想像できます。
物流コストやインフラコスト
例えばアメリカだと国土が広大なので、何か商品を届けようと思っても日本に比べて莫大なコストがかかります。アメリカは人件費も高いですしね。それに比べて日本は長年クロネコヤマトや日本郵政や佐川急便などの優秀な宅配業者さんが安価で日本の物流を支えてきました。しかしながら昨今の世界的な経済状況からくる物価高騰でガソリン代や人件費も上がってます。その上日本ではトラックドライバー不足が深刻問題になってくる2024年以降は物流コストが上がることが予想されるので、この辺もAmazonプライム料金の値上がり要因になります。
Amazonプライムのメリット
様々な配送特典が無料
Amazonプライム会員だと様々な配送特典が受けられますが、特に重要なのがお届け日時指定便と最短で注文の翌日に受け取れるお急ぎ便の利用が注文の金額に関わらず無料でできるという点ですね。
Amazonで販売されてる全ての商品がプライム会員だと送料無料になるというわけではなくて、このprimeマークがついているAmazonが発送する商品が対象です。逆に言えば、Amazonが発送しないマーケットプレイス商品を購入する場合は価格だけではなく送料も必ずチェックしてから購入する癖をつけよう。
Amazonの最大のライバルである楽天市場では個々の出店企業が発送してるので、基本的に毎回配送料がかかります。企業努力で送料無料にしてるとか、同じお店で3980円以上買えば送料無料になるお店もたくさんありますが、お店によってバラバラなので買い物する時は常に商品代の他に送料がかかるのか、送料がいるなら結局Amazonと比べて安くなるのか高くなるのかを常に考えて買う必要があります。
一つのお店で3980円以上買わない、毎回送料のことを気にしたくない、という人はAmazon(もしくはヨドバシ)の方が便利なケースが多いです。
セールはプライム会員が優遇される
プライム会員限定セール
例えば普通の会員だと2000円ですよっていう商品があって、それがプライム会員なら300円オフで買えますよみたいなプライム会員限定セールがたまにあります。プライム会員限定セールに出てくる商品の多くは中華製品なので「いいな」と思う商品であっても必ずサクラチェッカーで調べてからカートに入れるようにしてください。
もちろん中華製品の中でも掘り出し物はありますし、サクラチェッカーが100%正しいとは言えません。激安中華製品が好きな人は日本のAmazonで買うよりもAliExpressで買った方が安いですよ。
タイムセールが通常会員より30分早く参加できる
Amazonで定期的に開催されるタイムセール(プライムデーとかブラックフライデーなどの大型セールも含む)ですが、プライム会員なら30分早く参加できる。本当に人気商品ならあっという間に完売することもあるので、30分のアドバンテージは大きいかも。ただ個人的にAmazonのヘビーユーザーはほとんどがプライム会員だと思うので、実情あまり意味がないかもw
動画や音楽、電子書籍などの対応コンテンツが無料
Prime Video
対象の動画コンテンツが見放題のサービスです。NetflixやHulu、U-NEXTなどの有料動画配信サイトに比べるとコンテンツ数は見劣りしますが、仕事終わりに家で昔話題の映画でも見ようかなとか、お休みの日に家族で一家団欒として動画を視聴する目的なら十分過ぎるほどのコンテンツがあります。最新アニメの見逃し配信などもやってるので、地上波の放送は見られなかったけど、アマプラで追いつけたりします。
見放題コンテンツは定期的に入れ替わるので、見たい動画がある場合は早めに見てしまう方が良いと思います。いつか見ようと思ってウォッチリストに入れていても、いざ見ようと思って開いてみると配信期間が終わって悲しい思いをしたことがよくありますw
Prime Music
プライムミュージックで楽しめる楽曲数が昔は200万曲だったのが、1億曲に増えました。それだけを聞くとApple MusicとかSpotifyやめてPrime Music一本に絞ろうと思う人もいるかと思いますが、残念ながらPrime Musicは自分の好きな曲を指定して聴くことができません。同じジャンルがシャッフル再生されるので、自分が聴きたい曲が流れるかは運次第ですw おすすめの使い方としてはジャズとかクラシックとかの「ジャンル」を勉強や仕事、家事をしてる最中のバックグラウンドミュージックとしてながら聴きする用途。これなら十分に使えると思います。Amazonエコーシリーズを導入しておけば「アレクサ、ジャズかけて」と言えば・・・よしなにジャズっぽい音楽をシャッフル再生してくれます。
Prime Musicは1億曲も聴き放題だけど、シャッフル再生のみ。自分の好きな曲を指定して聴きたい人はAmazon Music Unlimitedに課金する必要あり。
Prime Reading
Amazonプライム会員なら対象の電子書籍(Kindle本)が無料で読めますよというサービスがPrime Readingというサービスになります。上位互換の有料サブスク版がKindle Unlimitedで、こちらは月額980円かかります。
対象のタイトル数は比較表だと数百冊とありますが、prime reading対象本を検索かけると2000冊以上がヒットするので、おそらくそれくらいはありそうです。
有料の読み放題サービスと比べると見劣りしますが、スマホにKindleアプリを入れれば同時に10冊まではダウンロードして読めますので、暇つぶしには必要十分じゃないでしょうか?もちろんスマホアプリ以外にもパソコンやタブレットでも読めますので、漫画や雑誌などは大きい画面で見ると快適に閲覧できます。Prime Videoと同様に対象コンテンツは定期的に入れ替わるので、読みたい本が見つかれば早めに読んでしまう方が吉です。
読書好きな方はKindle書籍専用端末を別途購入して読んだ方がスマホから見るより目が疲れにくくなるのでおすすめです。
Amazon Photosで画像ファイル保存し放題
Amazonプライム会員ならAmazon Photosで容量無制限のフォトストレージが使えます。画像ファイルなら保存し放題(しかも劣化なし)なので、写真が好きな人はバックアップ目的で使うのが良さそうです。画像以外のファイルは5GBまで無料で、それ以上の容量が欲しい人は別途課金が必要になりますが、画像しか保存しないよって人にはAmazonプライム会員になってAmazon Photosを使い倒すのが一番お得だと思います。スマホだったら専用アプリをインストールすれば勝手にバックアップされるので特に難しいことはありません。
Amazon Photosに定期的に写真がアップロードされていれば、モニター付きのAIスピーカーであるEcho Showシリーズがフォトフレームとして使えるので便利。写真ってなかなか見返さないですが、Amazon PhotosとEcho Showシリーズがあれば、昔撮った写真を見返す機会が増えて家族の会話も増えると思いますよ。
Amazonのセールで獲得したポイントアップ分は有効期限に注意しよう
Amazonのセールでは獲得できるポイントが普段の買い物よりもアップしますが、ポイントアップ分のポイントは期間限定のポイントになるので、注意してください。今年の7月開催のプライムデーで獲得したポイントアップ分は40日後の8月下旬に着弾しましたが、そのポイントは期間限定ポイントです。期間限定ポイントは獲得日の翌月末までの有効期限になってます。以前は期間限定なんてなかったんですが、この辺はAmazonも楽天の悪いところを真似てしまったようです(涙)
まとめ
日本のAmazonプライム料金も4年ぶりに値上げされて年額だと5900円になりました。昨今の物価高を考えると致し方ないのかなぁと思います。1000円値上げされましたが、海外と比べるとまだ十分に安いと思うのでプライム会員になる(継続する)価値は十分にあると思います。
今回の値上げ発表に合わせて、Amazonのプライム会員向けの大型セール「プライム感謝祭」が10月に開催されることが発表されてます。Amazonのブラックフライデーが2022年は11月末に開催されたので、ちょうどブラックフライデーセール前に開催される「大型セール」となります。
そんなに短期間に大型セール連発されてもお財布がもたないよって思いますが、セールに合わせて計画的にAmazonを利用したいですね。
今後もAmazonは有料会員と無料会員の差別化を進めていくだろうと思われますが、そんなにAmazonのプライム会員向け見放題サービス使わないし、年額で一気にお金払うのはしんどいなぁという人は・・・Amazonでは年に数回大きなセールがあるので、それに合わせて1ヶ月だけ課金とかそういう使い方も十分にありだと思います。
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