Macにて1Password 8を使っていると、Command + ]
というどのアプリでも大変よく使うショートカットが1Passwordに奪われてしまうという現象が結構前から発生しています。奪われてしまうと言うとちょっと大袈裟かもしれませんが、Command + ]
を使うとなぜか「1Passwordのクイックアクセス」が起動してしまう不具合です。
1PasswordのクイックアクセスにはShift + command + Space
のショートカットキーが割り振られているにも関わらず、Command + ]
のショートカットを実行すると1Passwordのクイックアクセスが起動してしまうのです。1Passwordのクイックアクセス自体は、1Passwordアプリを使わなくてもいつでもショートカット一発で1Passwordに保存している情報にアクセスして利用できるというメリットがあるので便利な機能ではあります。
Macではブラウザのページ履歴を戻ったりするショートカットにはCommand + [
が、ページ履歴を進むショートカットにはCommand + ]
が割り振られています。SafariでもChromeでもページの履歴移動ではCommand + [
とCommand + ]
がショートカットキーとして使えるのです。
SafariやChromeなどのブラウザでのページ間移動のためのショートカット
⌘ + [
ページ移動(一つ前のページ履歴に戻る)⌘ + ]
ページ移動(一つ後のページ履歴に進む)
ところが、Macに1Password 8をインストールして利用している場合、Chromeなどのブラウザを利用してるときにCommand + ]
のショートカットキーを押すと一つ後ろのページ履歴に進まずに、1Password 8のクイックアクセスが起動してしまいます。
前々からおかしいなぁと思っていたのですが、トラックパッドの二本指ジェスチャーで代用できるし、まぁいつか解決するだろうと思っていたのですが、いつまで経っても直りそうもないので暇なときにトラブルシューティングしてみました。
トラブルシューティング
とりあえずChrome上でページ移動のためのCommand + ]
のショートカットが使えないのはChromeの拡張機能が邪魔をしてるからだと思って、拡張機能の1Passwordを含めて全ての拡張機能をオフにして実験してみたけど、Command + ]
を押すと1Passwordのクイックアクセスが起動してしまうのは変わらなかった。
次にCommand + ]
を押したら勝手に1Passwordが起動してしまうなら、1Password自体を完全に終了させたらどうなるかを考えました。1PasswordはMacにインストールすると常に常駐してますので、常駐してる1Password 8を完全に終了させてから、Chrome上でCommand + ]
のショートカットを実行してみると・・・見事に的中して、Chromeでページ移動(一つ後のページ履歴に進む)というショートカットが作動しました。
ということで1Password 8の設定画面からショートカットの項目を探し出しましょう。1Password 8の設定画面を覗くとキーボードショートカットの一覧が見られますが、ご覧の通りクイックアクセスに割り当てられているキーボードショートカットはShift + command + Space
ですから、Chromeなどのブラウザを使ってるときにCommand + ]
を押すとなぜか1Passwordのクイックアクセスが起動してしまうのはおかしいわけです。
Twitterに同様の問題を呟いてる人に公式が反応
Twitterにて同じ問題を抱えて悩んでる人のつぶやきを発見したんですが、それに対して1Password公式アカウントがリプライをしてました。
ここに飛び込んでも構いません。 US ベース以外のキーボードを使用している場合、カスタム キーボード ショートカットを設定できないという問題がいくつかあることを認識しています。念のため、support+social@1password.com にメールを送信していただけますでしょうか。こちらで調査させていただきます。
Google翻訳による超訳ですが、USキーボード以外だと1Passwordのショートカットを変更できない問題を認識してるとのこと。リプライの内容がツイート主の意図と少しずれてますが、なんとなくJISキーボードだと1Passwordのショートカット周りに問題を抱えてるんだろうということが読み取れました。外国でも「FF外から失礼します」的な言い回しがあるのは勉強になりました。
1Password 8 をインストールした Mac で JIS キーボードを使用し、Chrome でショートカット「Command + ] 」を実行すると、「1Password Quick Access ( ⌘ + ⇧ + Space)」が表示されるのはなぜですか? このバグの影響で、「 ⌘ + ]」ショートカットで Chrome のページ履歴を後のページに移動することができませんでしたが、1Password8 の設定画面から 1Password のショートカットをすべて削除したら、「 ⌘ + ]」ショートカットで Chrome のページ移動ができるようになりました。このバグを修正してください。
こんな感じの内容を僕から1Password公式さんにリプライ投げました。ツイート主の方にFF外失礼しますを言い忘れてすいませんって感じですが(笑
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。チームは 1Password 8 の JIS キーボード ショートカットに関連するバグを調査中であり、影響を受けるユーザーのリストにあなたを追加しました。それまでの間、別のキーボード ショートカットを使用すると役立つはずです。
僕のリプライに対して公式さんの回答はこんな感じです。2022年8月の時点でTwitter上に同様の報告が上がっていて、2022年12月末時点でも直ってなかったので1Password 8をMacで利用してる方はご留意ください。
一応の応急処置としては1Password 8の設定画面から設定されているショートカットを全部削除するとCommand + ]
のショートカットはブラウザなどで使えるようになりました。
一番正しい応急処置方法
僕は応急処置として最初1Password 8の設定画面でショートカットを全部削除してみたんですが、そこまでやらなくても自動入力(Autofill)のショートカットCommand + \
を削除してやるだけで大丈夫そうです。自動入力のショートカットを削除しても問題が解決しないときはMacを再起動してみてください。
余談
1Passwordの自動入力のショートカットCommand + \
ですが、これを一度削除してしまうと、再び同じショートカットを再設定するのはJISキーボードだと難しそうです。MacのJISキーボードだとデフォルトでバックスラッシュを入力するにはOption + ¥
を押す必要があるのですが、これだと1Passwordの設定画面でのショートカット設定部分でバックスラッシュが入力されません。
プログラミングなどで頻繁にバックスラッシュを入力する人はバックスラッシュを入力するたびにOption + ¥
と押さなければならず、毎回オプションキーを使うのが面倒だと思うので、Macの設定アプリにあるキーボードの設定(日本語 – ローマ字入力)から¥キーだけを押せばバックスラッシュが入力されるように設定することができます。(その後入力モードの英字にチェックを入れてから、英数字入力用の入力ソースを削除する必要があります)
このようにMacの設定からバックスラッシュの入力方法をUSキーボードと同等にしても1Passwordの設定画面(ショートカット変更部分)ではバックスラッシュが入力できない不具合があるようです。
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